最期の贈り物 ‐君への愛‐
「……苗ちゃん!優恵ちゃん!」
「ん……」
誰かに呼ばれた気がして、ゆっくりと瞼を開けると、そこにはまぁ可愛らしい天使のような椎菜ちゃんがいた。
私をのぞき込む形でいるから、天使のお顔がドアップ。
なんて素晴らしい朝でしょう。
「椎菜ちゃん……、おはよう」
私は目を擦りながら挨拶をした。
椎菜ちゃんはもう準備万端といった格好をしている。
昨日は部屋着だったから随分大人っぽく見えたが、セーラー服でポニーテールをしている姿を見ると、確かに14歳だ。
昨日も今日も、可愛いことには変わりない。
「おはよう。 起こそうかどうか迷ったんだけど、学校に行くつもりだったらどうしようって思って。 起こして大丈夫だった?」
心配そうに眉を下げる椎菜ちゃん。
なんていい子なんだ……。こんなにもいい子だったら、毎日疲れるだろう。
きっと自分よりも相手を優先する子だろうから。