最期の贈り物 ‐君への愛‐
「大丈夫だよ、起こしてくれてありがとう」
椎菜ちゃんのおかげで最高の朝が迎えられました。
チュンチュンと小鳥の鳴き声が外から聞こえてくる。
私、窓を開けっ放しで寝たんだっけ……。
ボンヤリと考えながら、椎菜ちゃんを見る。
「よかったぁ……。 リビングのテーブルに朝ごはんが置いてあるから、チンして食べてね」
「椎菜ちゃんの手作り?」
「うん、そうだよ。 お口に合わなかったらごめんね」
椎菜ちゃんの手作りなら喜んで食べるに決まってるのに。
もちろん、燐が作ったものだって喜んで食べる。
私はなんでか料理はイマイチ。勉強は中より上って感じなんだけど、料理だけは一向に上手くいかないんだよね。
「私、学校もう出るの。 だから、分からなかったらお兄ちゃんに色々聞いてね!」
うん、と頷くと、それを確認してから椎菜ちゃんは部屋を出た。
布団から出て、腕を伸ばすと、部屋の片隅に昨日の夜はなかったはずの服が置いてあった。
私が着ていい服だよね……?そうだよね、ここに置いてあるってことは。
「……ご飯、食べよ」
椎菜ちゃんの手作りの朝ごはん。
私のこれまでの朝ごはんは菓子パン。
だから、手作りの朝ごはんっていうのは、だいぶと久しぶりでウキウキする。
手作りの朝ごはんが食べられるのは、おばあちゃん家に帰ったときだけ。
だから、食べられる回数は本当に少ないんだ。