最期の贈り物 ‐君への愛‐
「へぇ、燐が拾ったんだ? 燐が拾いものするなんて、珍しいね。 面倒くさがる性格だと思ってたのに」
そうだ。なんでこんな私を拾ってくれたんだろう?
なんの共通点もない、友達でも、なんでもない私を。
私も気になっていたけれど、燐はこたえなかった。
「君、名前は? 俺は、君島 龍太郎(キミジマ リュウタロウ)。 たろうって呼ばれてるから、たろうって呼んで! こんなんでも、一応蘭風の2番目っつーことで副総長やってるから」
さっきから騒がしい金髪の人のフルネームは、君島 龍太郎さんというらしい。
かっこいい名前で素敵なんだけど、その後の副総長という言葉が気になった。
「たろう、さん? その、たろうさんのいう副総長って? あと、蘭風っていうのも……」
そう聞くと、へ、と間抜けな顔をしたたろうさん。
すると、燐が「俺まだ言ってねぇよ、そのこと」とたろうさんに呆れ顔をおくった。
しまった、とたろうさんは顔を歪めた。
「蘭風っていうのは、暴走族の名前でね、俺らその幹部なんだ。 まぁ、蘭風の中での強い奴らの集まり的な感じかな、簡単にいうと」