最期の贈り物 ‐君への愛‐
ぼ、暴走族!?
あれですか。バイクぶん回して警察と追いかけっこする人らですか!?
わ、悪い人たちですかっ……?
確かに言われてみれば、髪の色は明るいし、なんかチャラチャラしてるから、暴走族入ってます、って言われてもなんの違和感もない。
「そんな怖い顔しないでー。 俺ら、そんな悪い人達じゃないから! まぁ、みんなの自己紹介きいてくれる?」
「はい……」
なんか、急に怖くなってきた……。
どうしよう、このままナイフぶっ刺されて死んじゃったら……。
いや、大丈夫。 たろうさんのいうことを信じてみよう。
「……俺は、三ノ間 翔(ミノマ カケル)。 翔でいいよ、さんとかいらないし」
まともそうだと感じた黒髪の人の名前は、三ノ間 翔さ……翔。
なんかこの人1番怖そうだし、さん付けだめとかきつい……!
すかさずたろうさんが、俺もさんいらない、と言ってきた。
でも、たろうさんは、たろうと呼ぶよりも、たろうさんと呼ぶ方が面白いんだよね。
「俺は、上秋 律(ウエアキ リツ)。 この髪色のせいでよー怖がられるんやけど、俺そんな怖くないから! 俺もさんなしで律って呼んでな」