最期の贈り物 ‐君への愛‐


ニカッと歯を見せて笑った律。


新鮮だなぁ、関西弁。 この辺ではあまり聞かないから。


関西弁であるからか、律とは話しやすそうだなぁと勝手に思った。




「俺は、柏木 翼(カシワギ ツバサ)。 翼でいいよ。 よろしくね」




金色に茶色のメッシュが入った人の名前は、翼。


翼、だって。 カッコイイなぁ。


私は男の子として生まれていたら、翼という名前をつけて欲しかった。


どこまで羽ばたいていける、無限に飛んでいけ、とかそんな意味を込めて翼。



そして、皆は私の自己紹介を目で求めた。


……たろうさんは、声に出していたけれど。




「私は、冴中 優恵です。 14歳です。 よ、よろしくお願いします……?」




「なんで疑問で終わるの? 仲良くしようね!」




たろうさんは私に握手を求めた。


戸惑ったけれど、私も手を出し、たろうさんと握手を交わした。


……暴走族、蘭風。


たろうさんは副総長だと言った。


総長は、誰なんだろう。




「あの……、蘭風の総長さんって誰なんですか?」




副総長を知ったからには、総長も知っておかなくちゃね!


ということではなく、ただ単に私が気になっただけ。


だって、総長さんは、1番強い人ってことでしょう?




「……俺だよ」
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