最期の贈り物 ‐君への愛‐


「じゃなくて、お前はここで何してるんだ。こんな時間に」




そうか。この人は何やってるんだ、って聞いてきたんだった。


つい、瞳の方がきになって私が質問してしまっていた。




「別に、何もしてないです。座ってるだけですよ」




親と喧嘩して家を出てきました、なんて言ったら、この人怒りそう。


なんでそんなちっせぇことで出てきてんだよ、ってね。


私にとっては、小さいことじゃないんだけどさ。




「座ってるだけって……。お前、見るからに真面目そうな感じじゃん。人は見かけによらずって言うけどな。こっちの世界に興味あんの?」




そうだ。私は、真面目っ子。


人は見かけによらないって言うけれど、私は中身も真面目。


学校は毎日通って、家に帰ったらご飯を食べる。


そして、お風呂に入って布団に潜る。


いつもなら、こんな時間まで起きていない。
< 4 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop