最期の贈り物 ‐君への愛‐
「じゃなくて、お前はここで何してるんだ。こんな時間に」
そうか。この人は何やってるんだ、って聞いてきたんだった。
つい、瞳の方がきになって私が質問してしまっていた。
「別に、何もしてないです。座ってるだけですよ」
親と喧嘩して家を出てきました、なんて言ったら、この人怒りそう。
なんでそんなちっせぇことで出てきてんだよ、ってね。
私にとっては、小さいことじゃないんだけどさ。
「座ってるだけって……。お前、見るからに真面目そうな感じじゃん。人は見かけによらずって言うけどな。こっちの世界に興味あんの?」
そうだ。私は、真面目っ子。
人は見かけによらないって言うけれど、私は中身も真面目。
学校は毎日通って、家に帰ったらご飯を食べる。
そして、お風呂に入って布団に潜る。
いつもなら、こんな時間まで起きていない。