【短編】とある悪い日の話




とてもじゃないけど今は話す気にはなれない。



お酒入ってるし、まともに話せないと思うし。




「七咲、今度かけ直すって言って」




「嫌です」



にっこりと笑顔を貼り付けた七咲は、次の瞬間真顔になって。





「おい、元カレ」




今までに聞いたことないくらい低い声で優希に話しかける。





「今更話すことなんてねぇだろ。何様のつもりだ」




『だから!俺はあんたとじゃなくて都和と』






「俺なら都和を泣かせない。以上。じゃあさよなら」




『ちょ』





優希の声なんか無視して一方的に電話を切った七咲は、そのままスマホを操作している。





「はい消去完了」




「なに勝手なこと…!」




「その代わりに、はい俺の番号」




勝手すぎる、こいつ。





電話帳を開くと本当に優希の連絡先は綺麗さっぱりなくなっていて、代わりに七咲飛鳥が加わっている。






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