【短編】とある悪い日の話
優希は付き合って7年になる彼氏。
大学の卒業式のときに告白され、半同棲状態で今日まできた。
最初の方こそサプライズでプレゼントなんてものもあったけれど、長く付き合っているとそういうイベントごとは疎かになっていくもので。
今は誕生日やクリスマスは少し高いレストランに行ったり、欲しいものをその場で買ったりと、ときめきという意味では随分質素になったものだけど、私はそれが嫌いじゃなかった。
家族みたいなそんな感覚で、勝手に一人で満足していた。
今日は、朝からついていない。
でも、終わりよければ全てよしという言葉もあるくらいだし、それをモチベーションにして頑張ろう。
横では相変わらず相川さんと七咲が談笑していたけど、シャットアウトして早めに仕事を終わらせるべく気合を入れて。
定時で上がった私はさっさと会社を出て優希にお誘いメールを送ろうと歩きスマホをしたのが間違いだった。