愛しの許嫁~御曹司の花嫁になります~
こんな高級車、初めて乗った。長い足でアクセルを踏み、進行方向を見る鷹野部長の横顔は文句なしに凛々しくてかっこいい。
アスファルトの上を走っているとは思えないくらい動きはスムーズで、防水のフロントガラスは、雨を弾いてワイパーが雫をリズムよく弾き飛ばしている。
「鷹野部長、昨日はいきなり会議室を飛び出したりして、すみませんでした」
とりあえず、先日の無礼を謝罪する。すると、鷹野部長はクスッと笑った。
「なにか茜ちゃんを怒らせるようなことを言ったんじゃないかって、ずっと心配してたんだ」
自分が悪いのに、そんなふうに思っててくれてたなんて……。そう思うと、申し訳ないような安心したような気持ちになる。
そんなことよりどうしよう!? このままじゃ、麻布の家がないことがバレる――。
なにかいい口実がないかとあれこれ考えていると……。
「茜ちゃん、お腹空いてないか? もういい時間だし、再会を祝して食事でもどうだ?」
タイミング良く鷹野部長から夕食の誘いを受ける。食事をして、その間に雨が止んでいたら電車で帰ろう。と、そんな魂胆に少し後ろめたさを感じつつ、私は勢いよく「はい!」と答えた。
アスファルトの上を走っているとは思えないくらい動きはスムーズで、防水のフロントガラスは、雨を弾いてワイパーが雫をリズムよく弾き飛ばしている。
「鷹野部長、昨日はいきなり会議室を飛び出したりして、すみませんでした」
とりあえず、先日の無礼を謝罪する。すると、鷹野部長はクスッと笑った。
「なにか茜ちゃんを怒らせるようなことを言ったんじゃないかって、ずっと心配してたんだ」
自分が悪いのに、そんなふうに思っててくれてたなんて……。そう思うと、申し訳ないような安心したような気持ちになる。
そんなことよりどうしよう!? このままじゃ、麻布の家がないことがバレる――。
なにかいい口実がないかとあれこれ考えていると……。
「茜ちゃん、お腹空いてないか? もういい時間だし、再会を祝して食事でもどうだ?」
タイミング良く鷹野部長から夕食の誘いを受ける。食事をして、その間に雨が止んでいたら電車で帰ろう。と、そんな魂胆に少し後ろめたさを感じつつ、私は勢いよく「はい!」と答えた。