小さな恋物語
「ねぇマナ、今度の日曜日って明いてる?」

この日、健太郎は珍しく朝から学校に来ていた。

「え?……あぁ、明いてるよ。何で?」

「ちょっと渡したいものがあるんだよね。朝10時に桜公園のベンチで待ってるから!」

「え、渡したいものって何?」

「ちょっと学校じゃあ言えないな。じゃあ、日曜は絶対に明けといて!バイバイ」

「あ、ちょっと!!授業は出ないわけ!?」

「うん。これを言いに来ただけだから〜」

せっかく来たんだから、授業受ければいいのに。

今からどこへ行くんだろう。

それにしても、学校では言えないものって何?

見当がつかない。

でも、何となく嬉しかった。

幼馴染みで家が近所だから、頻繁に会うんだけど、今みたいに約束をして会うのは初めてかも。
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