小さな恋物語
そして日曜日がやってきた。

空は雲ひとつなくて、とても気持ちいい天気。

「ちょっと早めに行こうかな」

冷蔵庫から昨日買ったケーキを出して、保冷剤と一緒に袋に入れる。

健太郎が来なかったら、私が食べよう。

そう思って、私はこっそりフォークを鞄に入れた。

きっと、夕方頃に私は一人でケーキを食べているだろう。

そう思うと泣きそうになるけど、私は涙をこらえて公園へ向かった。

予定だと、30分前には到着するはずだ。

そこで、冷静に健太郎を待つための心の準備をしよう。

そんなことを考えながら歩いていたけれど、どうやらそんな時間はつくれそうにもない。

だって、私よりも早く来てるんだもん、アイツ。
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