小さな恋物語
「今の学校に赴任が決まってから、慌てて引っ越して来たんだよ」

「じゃあ1ヶ月くらい前から住んでるんですね。アパートですか?」

彼が私の目の前に現れたのは先月の中旬。母親の心臓病が悪化したため、実家に帰ることになった数学担当教師に代わって、彼が赴任してきたのだ。

「あぁ。スカイハイツっていうアパートに住んでるんだけど、知ってる?」

「知ってるも何も、私の家の真裏ですよ!」

バス停としては1つ違うけれど、距離的には1メートル弱の場所に彼が住んでいたなんて、驚きだ。ついつい、興奮気味に喋ってしまった。
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