眠り姫の憂鬱
「美月、キスしてもいいかな？」

「…」今までも、帰る前にはキスしましたよね。と私が不思議な顔をすると、

「いや、もうちょっとディープなヤツを…」と言いながら、私の上に屈みこんで深く唇を重ねてくる。

私の唇を開かせ、舌を使って私の口の中を確かめるようにくちづける。
角度を変えながら甘く息を注ぎ、激しくなっていくくちづけ。

私はすっかり覚えがないので、初めてくちづけされているようで、
胸がドキドキと脈打つように高鳴っている。

ショウゴさんはゆっくり唇を離し、

「美月とやっとキスできた。」と微笑んで私を見つめる。


「…初めてのようで…ドキドキしました。」

「俺もドキドキした。」と私の唇を指でなぞる。


…そんな風にされると…さらにドキドキするんですが…

と思っている間に、また唇が重なってきた。

「愛してる」とショウゴさんは何度も囁きながら、その夜はくちづけを繰り返した。
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