眠り姫の憂鬱

私が家に戻ると、涼子さんが、

「とても素敵です。仕事をしている女性って感じに見えます。」

「見かけだけでも…ショウゴさんにふさわしい女性になりたいと思って…」

「ショウゴさんはどんな美月さんもきっとお好きですよ。」

「…そうでしょうか…」とモジモジしてしまう。

「美月さんも何も思い出せなくてもきっとショウゴさんのことがお好きですよ。
おふたりでお食事をされる時にも何度も見つめあっていて、とても仲が良さそうです。」

…だって、ショウゴさんは何度も私の瞳を覗き込んでくるし…
見つめられると、つい、見つめ返してしまう。

それって好きってことなんだよね。

と少し思う。


恋人だと言われると、

そんな気持ちもしてしまう

あの眼差しも、時折ふわりと香るコロンも知っているような気がしているけど…



でも…自分の気持ちに自信がない。

一緒に暮らすようになってもう、１ヶ月経つ。

おやすみのキスも、時折、長くなっているような気がして

ショウゴさんが私を待っていてくれているのが確かで…


私もその気持ちに応えたいと最近思うようになっているのかもしれない…