眠り姫の憂鬱
次に目が醒めると、ショウゴさんは部屋に居なかった。

着替えてリビングに降りると、

「おはようございます。家出は楽しかったですか?」と笑われてしまう。

「ショウゴさんは?」

「昨日放り出したお仕事を片付けてくる。と出かけました。
美月さんはお仕事はお休みにしてあると言っていました。11時にカフェで待ち合わせに間に合うように車を出します。」と涼子さんはため息をつく。

「心配かけてごめんなさい。」と言うと、

「いいんです。
たまには心配させたって。
美月さんだってひとりで外に出たいと思うこともあるでしょうし、
将吾さんは美月さんを縛りすぎです。
行き帰りも送り迎えつきで、仕事場も家も一緒だなんて…
おまけに友達との食事の場所も決めてしまうなんて…
ちっとも自由がないですよね。
昨日は将吾さんにお説教をしておきました。
私なら、毎週家出です。」と微笑んで、朝食を出してくれる。

そう言えば、そうか。
とぼんやり思いながらカフェオレを飲む。

結構束縛したいタイプ?

厄介な男を好きになってしまったかも…
とすこし、考える。

まあ、いい。

また、家出すればいいか…と少し思ってしまう。

きっとまた、ショウゴさんは慌てて探してくれるだろう。と私は微笑んだ。







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