【短】愛の病


ガタンッ



丁度あやちゃんが購買から帰ってくるのが見えたから、教室に入ってくる前にあたしの方から出迎えることにする。


「あれ?しんじょ…?」

「あやちゃん!こっち!」


きょとんとしたあやちゃんをあたしは半分、引き摺るようにして手を引っ張って、そのまま屋上へと足を運んだ。

ていうか、あんなトコにあやちゃんを置いておきたくないって思うあたしって最低かもしれない。

口唇を噛み締めて、廊下を勢いよく歩いてたら、途中ですれ違った教育実習生の胸元に、ちょっと大きめのネームが下がっているのが見えた。

< 8 / 15 >

この作品をシェア

pagetop