君と見上げた空はもう一度
「倉橋さんには今の空、何色に見える?」
「えっ。そうだね、オレンジかな。鈴森くんは?」
「俺は赤かな。空はさ、人によって見える色が違うんだ。」
そういい彼は少し笑う。
その笑った顔は猫のようにかわいかった。
「それじゃ、また明日会えるといいな。」
そう言った彼の顔は少し赤かった。
ちょうど今の夕焼けのように。
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