君と見上げた空はもう一度
二日後の秋祭りに向けて私は浴衣を用意する。
「ねぇー綾、今年も一人で行くの?」
「うん、秋祭りは一人で行きたいの。」
「そっか。少し遠いんだから気をつけて行きなさいね。」
はい、と返事をして部屋に戻る。
窓を開け空を見上げる。
薄暗くとても寂しい空。
きっとこんな空でもあなたなら好きって言うんだろうな。
あなたはもし私に会ったら、喜んで、笑って、泣いてくれますか?
あなたはどんな言葉をかけてくれるかな?
会えるかもって思ったら楽しみだけど、怖いな。
私は空に願ったあと、ゆっくりと窓を閉めた。
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