花と待ち人
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誰が、ここに学校を建てようなどと考えたのだろう。



そんなことを思いながら、見慣れた校舎に入って行く。



ここの街は、ド田舎とまでは言わないが、決して都会ではない。



バスは三十分に一本だし、電車の駅は遠い。



車なしでは生活しにくい、交通の便が悪い場所なのだ。



そして、この街にある唯一のこの高校の偏差値は、中の上くらいである。



当然、この高校に入れる学力のなかった人や、もっと上を目指す人は長い通学時間をかけて別のところへ行く。



それが嫌で引っ越す人も多いのだ。



そんな理由で、この高校に通う生徒は中学校が同じ人ばかりだった。



一つの学年に、クラスは二つしかない。



よく潰れないな、と本当に思う。



職員室に用事があるから、というゼロと別れて、私は二年生の教室に向かった。



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