今から一つ嘘をつくけど
先月始めにこの店舗へ移動して、今日でやっと一ヵ月の私は、まだ管轄のエリアマネージャーに会った事は無かったけど。よりによってこの人がそうだったなんて。
でも考えてみれば、店のスタッフ以外は入れない地下の倉庫に、何故入れたのか納得出来る。武田店長に事前に鍵を借りていたのかもしれない。
「ああ、下の倉庫で会ったのは君だったのか。だから俺を泥棒って……」
「す……っ! すみません!」
自分のしでかした事に反省し思いっきり頭を下げると、諏訪さんはまだクスクスと笑いながらそれをポンポンと優しく叩いた。
「開店前に店の在庫チェックしてたんだ。どうやらそのまま寝ちゃったらしい」
「ああだから諏訪くん、開店の時に来るって言ってたのに、遅刻してきたのね」
「倉庫で起きたらこの子がいて。開店前に来たはずなのに、時間を聞いて驚いたよ」
ははは、とまた諏訪さんは笑った。
開店時間は午前十時。一体この人は何時間あそこで寝ていたんだろう……
でもこの人、倉庫で見たのと同じ。男のくせに凄く奇麗な顔をしている。それに背も高くてスーツがよく似合う。
私は少し前から気が付いていた。周りのショップの女の子たちが、こそこそとうちの店を覗いている事に。
どうやら諏訪さんを観に来てるみたいだ。
時々『諏訪さーん!』なんて声が聞こえてきて、彼もそれに応えて手なんか振ったりしてるし。ちょっとしたアイドル状態。
でも考えてみれば、店のスタッフ以外は入れない地下の倉庫に、何故入れたのか納得出来る。武田店長に事前に鍵を借りていたのかもしれない。
「ああ、下の倉庫で会ったのは君だったのか。だから俺を泥棒って……」
「す……っ! すみません!」
自分のしでかした事に反省し思いっきり頭を下げると、諏訪さんはまだクスクスと笑いながらそれをポンポンと優しく叩いた。
「開店前に店の在庫チェックしてたんだ。どうやらそのまま寝ちゃったらしい」
「ああだから諏訪くん、開店の時に来るって言ってたのに、遅刻してきたのね」
「倉庫で起きたらこの子がいて。開店前に来たはずなのに、時間を聞いて驚いたよ」
ははは、とまた諏訪さんは笑った。
開店時間は午前十時。一体この人は何時間あそこで寝ていたんだろう……
でもこの人、倉庫で見たのと同じ。男のくせに凄く奇麗な顔をしている。それに背も高くてスーツがよく似合う。
私は少し前から気が付いていた。周りのショップの女の子たちが、こそこそとうちの店を覗いている事に。
どうやら諏訪さんを観に来てるみたいだ。
時々『諏訪さーん!』なんて声が聞こえてきて、彼もそれに応えて手なんか振ったりしてるし。ちょっとしたアイドル状態。