今から一つ嘘をつくけど
別に、今日諏訪さんが来た理由なんてどうでもいい。兄弟なんだし、家族なんだからご飯くらい一緒に食べるだろう。
でも私が気がついてないのを知っていて、何で兄弟だって事を黙ってたのか。
それがチクリと胸に刺さる。
私が言った通り、車は近くのコンビニの駐車場へ入る。すぐ降りようとしたけど、運転席にあるスイッチでドアをロックされてしまった。
「開けて下さい。降りますから」
「少し、弁明をさせてくれないか」
そんなの聞いても仕方ないと思ったけど、聞かないときっと車から降ろしてもらえない。私は諦めて、ドアノブから手を離した。
「――――昨夜は本当にごめん……」
諏訪さんは少しばつが悪そうに話し始めた。
「あの……俺、てっきり神楽木が妊娠したと思って失恋したんだと思ってて、でもそうじゃなくて。ホッとしたのに、お前すぐにあの釜谷のいる席に戻ろうとして。それで俺、何かカーッとなっちゃって……それで、だから…………ああ! なんか上手く説明出来ない!」
口を挟む間も無く話し続ける諏訪さんの話を聞いていたけど。
なんか、いつもと違う……
いつも余裕な態度なのに、今は。少し赤くなった顔に、変な汗までかいて。『弁明させてくれ』なんて言っておいて、全然それになってないし。
「ああ、クソッ……! 上手くいかねえな!」
自分でも支離滅裂なのが分かっているのだろう。諏訪さんは自分の目の前にあるハンドルを両手で握りおでこを付けて、とうとう顔を伏せてしまった。
でも私が気がついてないのを知っていて、何で兄弟だって事を黙ってたのか。
それがチクリと胸に刺さる。
私が言った通り、車は近くのコンビニの駐車場へ入る。すぐ降りようとしたけど、運転席にあるスイッチでドアをロックされてしまった。
「開けて下さい。降りますから」
「少し、弁明をさせてくれないか」
そんなの聞いても仕方ないと思ったけど、聞かないときっと車から降ろしてもらえない。私は諦めて、ドアノブから手を離した。
「――――昨夜は本当にごめん……」
諏訪さんは少しばつが悪そうに話し始めた。
「あの……俺、てっきり神楽木が妊娠したと思って失恋したんだと思ってて、でもそうじゃなくて。ホッとしたのに、お前すぐにあの釜谷のいる席に戻ろうとして。それで俺、何かカーッとなっちゃって……それで、だから…………ああ! なんか上手く説明出来ない!」
口を挟む間も無く話し続ける諏訪さんの話を聞いていたけど。
なんか、いつもと違う……
いつも余裕な態度なのに、今は。少し赤くなった顔に、変な汗までかいて。『弁明させてくれ』なんて言っておいて、全然それになってないし。
「ああ、クソッ……! 上手くいかねえな!」
自分でも支離滅裂なのが分かっているのだろう。諏訪さんは自分の目の前にあるハンドルを両手で握りおでこを付けて、とうとう顔を伏せてしまった。