飛べない鳥に、口づけを。
戸崎柊をぼーっと見ながら思った。
あたしの中で、戸崎柊はサッカー選手の代表のようなもの。
サッカー選手って、チャラチャライケイケのイメージがあった。
……勝手なイメージだけど。
だが、樹君は違った。
礼儀正しくて謙虚で、そして真面目で……
いつの間にか樹君のことを考えていた自分に幻滅した。
樹君と連絡を絶って長い時間が経ったというのに、あたしはまだ樹君を忘れることが出来ないのだ。