飛べない鳥に、口づけを。
樹君を思うと胸が痛む。
自分の怪我だけでなく、大切にしていた彼女に裏切られたなんて。
そんな樹君に寄り添いたいと思ったのは、他でもないあたしだ。
だけど、嫉妬心だけで勝手に距離を置いてしまった。
自分が憎い……
すごく憎い。
戸崎柊はさらにあたしに告げる。
「大切な人が理由も告げずに消えるって、残された奴はすげぇ辛いんだ。
だから、アンタがどうして樹と縁を切ったのか、教えて欲しい」