飛べない鳥に、口づけを。




戸崎柊は黙ってあたしを見ている。

決して睨んでいる訳ではないが、その強い瞳で見られると、嘘なんてつけなくなる。




「あたしは……樹君が好きでした。

でも、彼女がいると知って、嫉妬でおかしくなりそうで、そんなことなら諦めようと思って……」



「それならそうと、樹に言うべきじゃね?」




戸崎柊は低い声で言う。

その言葉が、あたしの胸を抉る。


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