飛べない鳥に、口づけを。




「あたしも……」





神様、信じてもいいの?

あたしは恋も仕事もこじらせた女なのに。

樹君みたいな素敵な人、あたしなんかとは釣り合わないかもしれないのに。

だけど……伝えなきゃいけないと思った。





「あたしも……好きです」





樹君が再びあたしを抱きしめる。

強く、そして優しく。

その大きな胸板に顔を埋め、味わったことのない甘い幸せに酔った。


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