飛べない鳥に、口づけを。





「嬉しいな、こうやってまた菜緒ちゃんと一緒にいられると思うと」




その言葉が、あたしの胸を甘くときめかせる。




あたしだって嬉しいし、いまだに夢ではないかと思う。

今日だって、樹君はファンに囲まれていた。

そんな凄い人が、あたしなんかを好きでいてくれるなんて。

だけど、もうマイナス志向になってはいけない。

樹君はあたしを好きだと言ってくれたのは事実だ。




「あたしも……」


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