飛べない鳥に、口づけを。
「そんなことよりさ、菜緒ちゃん?
今度うちに来ない?」
突然言われたその言葉に、固まってしまった。
うちに……来ない?
……うち?
うちって、もちろん樹君の家だよね?
それってまさか……
真っ赤になるあたしを見て、樹君は面白そうに笑う。
「菜緒ちゃん、変なこと考えなくていいって」
樹君は意地悪だ。
こうやってあたしの反応を楽しんでいるのだから。
「あのね、柊からゲーム借りてるんだよ。
でも俺、あんまりゲームしないし。
菜緒ちゃんと一緒ならするのかなぁなんて思って」
どんなゲームなんだろう。
どんなゲームでも、樹君と出来るなんて嬉しい。
そんなのんきなことを考えていたが……