飛べない鳥に、口づけを。
「……はぁ?ゲーム?」
矢沢さんにのろけ話をすると、彼は顔を歪めた。
そんなにあたしの幸せが憎いのだろうか。
矢沢さんに言ってやる。
「羨ましいでしょ?」
だが、その言葉は矢沢さんには届いていないようで。
思わぬ返事が戻ってきた。
「川口、お前本気でゲームって思ってるのか?」
「……え?」
ぽかーんとするあたしに、矢沢さんは尚も続ける。
「ゲームなんて口実だ。
お前、男の部屋にぬかぬかと入ったら、絶対食われるぞ?」