飛べない鳥に、口づけを。
今シーズンは出られない……?
選手生命が危ない……?
その言葉を聞いて震え上がった。
樹さんはそんな絶望的な状況なのに、あたしはなんて心無い言葉をかけてしまったのだろう。
ー多少足を怪我していても、仕事なんて大丈夫だと思います!ー
それを聞いた樹さんは、どんな気持ちになったのだろう。
きっと、あたしが想像出来ないほど傷ついて……だけど、必死に笑っていたんだ。
気持ちを踏みにじられた気分になって、苛立ちすら覚えていたかもしれない。
あたしは知らないうちに、大好きな人を傷つけていた。