飛べない鳥に、口づけを。





処方医に確認し、処方薬を眠気の少ない薬に変更してもらい、イケメン男性に渡す。

すると、彼は



「ありがとうございまーす」



なんて言い残し帰っていった。

そんな彼の後ろ姿を見ながら思った。

イケメン男性なのに、普通に対応出来た。

声だって裏返らなかった。

気のせいではなく、確実にあたしはいいほうへと進んでいる。

その事実に笑みすら溢れていた。




そんなあたしの余裕は……

雷に撃たれたように吹き飛ぶことになる。


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