飛べない鳥に、口づけを。
だって紙袋に入っていたのは、何かのDVDと、「サッカー用語集」と書かれた本。
そして、青いユニフォームだったのだ。
矢沢さんのくせに、マトモなものを貸してくれるじゃん。
そう思って青色のユニフォームを手に取ると、なんと「6」の背番号とともに、「OZAWA」というアルファベットが見えた。
なっ……何!?
樹君の前でこれを着ろってこと!?
矢沢さん、アタマおかしいんじゃない?
あたしはユニフォームを手に持ったまま震えていた。