飛べない鳥に、口づけを。
そして、迎えた日曜日……
何度も何度も服を着替え、ようやく落ち着いた姿で待ち合わせ場所に向かう。
待ち合わせ場所のスタジアムは、すでにサポーターでいっぱいだった。
青色のユニフォームを着た人々がアスール東京の話をしながら、続々とスタジアムに入っていく。
その中には「OZAWA」と書かれたユニフォームを着た人もたくさんいて、それを見るたび身体が震えた。
矢沢さんから借りたユニフォームは着なかった。
樹君に見られるのが恥ずかしかったのだ。
だけど、デートが上手くいくように、お守りのように鞄の中に入れている。