チェックメイト
女性に囲まれることもきっと慣れてるんだろう。

全ての荷物を手に取ると私たちは新郎新婦の待つ扉へと向かった。

みんなお酒もいい感じに入って陽気になってるみたい。

笑い声が絶えず、そこにいるだけで気持ちが上がりそうだ。

「亜弥、凜!二次会まで来てくれてありがとう!」

花のように笑う美月が迎えてくれて私たちは負けないくらい笑顔になった。

「そしてそして~クイズ全問正解おめでとう~!」

そう言って美月がクイズの花たちをまとめたブーケを渡してくれる。

「二人とも花だらけになっちゃったね。」

確かに既にブーケパスのミニブーケを手にしていた私たちは両手で花を抱える形になってしまった。

でも花の香りに包まれるなんて滅多にないことだから自然と笑顔になる。

「花がいっぱいで嬉しい!美月~二次会も可愛かったよー!」

「すっごく楽しかった。ありがとね!」

「こちらこそ!二人はもう帰る?」

美月の問いに私たちは顔を合わせて頷いた。

「美月ももう下がるでしょ?私たちも幸せのお裾分けを噛みしめながら帰るよ。」

「落ち着いたらまた遊ぼ。」

「うん!ぜひ新居に遊びに来てね!」

「もちろん!」

新居の響きに私たちは声を合わせて答えた。

きっと豪邸だ、見たいに決まってる。

「また写真も渡すよ。今日はお疲れ様、お幸せにね!」

「ありがとう!気を付けて帰ってね!」

「気を付けて。」

美月の言葉に寄り添う様に潤くんも私たちを送り出してくれた。

うん、何回見てもお似合いの二人だ。

言葉に出来ない満足感を持って私たちは会場の外に出た。

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