大切にしたい
「すみません、おにぎりありますか?」
物品の補充をしていると、声をかけられた。

「あっ、すみません。こっちの箱にまだ入ったまんまで…どれがいいですか?」

声をかけた人の顔をみると、あれ?何かこの顔みたことある。
あっ、大野先生だ。

「先生?」

「ん?」

目が合うと、大野先生は慌てた。

「吉武は、ここでバイトしてるのか。ビックリした。」

「はい。先生は仕事終わり?」

「うん。お腹すいちゃって」

レジ袋に買ったモノを詰める。

「吉武、これ…バイト頑張ってるから。明日は遅刻したらダメだからな。」


アイスココアを渡される。
「先生、ありがとう。」
「おう。」

明日は、絶対遅刻出来ないな。
普通だったら、バイトしているのを注意する先生が多いけど
褒められたのが単純に嬉しかった。
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