大切にしたい
先生は買ってきた荷物を持って、台所に立つ。

人の手料理を食べるのは、いつ振りだろう。
先生に包丁のリズムが心地よくて、横目でみつめる。

やさしい匂いがしてきた。

「吉武、起きれるか?」
「はい、大丈夫です。」

「熱は下がったのか?」
「あっ、まだ測ってなかった。ちょっと待って」
ピピっ
「37.7℃だ。」
「もうちょいだな。」

先生が作ってくれたのは、おかゆだった。」
湯気が出てる。

一口食べてみる。

「大丈夫か?」

「美味しいです。ありがとうございます。」

「そうか、良かった。」
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