大切にしたい
先生は、カバンを持って息を切らしながら入ってきた

「送って行くから、車に乗りなさい。」

「はい、すみません。」

先生の車は少しだけタバコの匂いがした。
そして、アイスココアを渡され、甘いのに今日だけは少ししょっぱい味がした

先生は、何もしゃべらなくて

たぶん、私が話すのを待っていてくれてるのだろう。

「先生。」

「うん。」
先生が小さな声で頷く。

「今日は、両親の命日で、私のバースデーでもあるんです。だから思い出して…」

私の家は近すぎて、車だとあっという間だった。

車が一度停車する

ドアに手を伸ばそうとすると
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