この世界の何処かに(仮

「出席とるぞー座れー」

そう言って入ってきたゴツい男...

「「相澤先生、黒すぎー」」

クラスメイト達はそう言ってクスクスと笑っている。

「こらこら、先生は部活でだなー...」

先生が色々語り出した途端

「先生、出席とりましょ〜」

男子生徒に切り上げられ出席をとり始めた。

「.....よし、全員いるな」

先生が確認すると生徒たちは教室を出て体育館へ、向かって行く。
相沢先生は私達のクラスの担任の先生で、生徒からも信頼されている。

「咲ー。」

隣に友菜がやってきた。

「んー？」

爪がちょっと長いかな..なんて考えながら返事を返す。

「あー、今また面倒くさい事聞かされるって思ったでしょ。」

友菜がふてくされたので
「そんな事はないよ。」

私は笑って返し、友菜の話を聞きながら体育館へ入った。


「起立。」

ーガタッ

「気をつけ。礼。着席。」

始業式が始まり、だるそうに座っている生徒達。私もその1人だ。
こういう行事ごとは面倒くさくて嫌いだし、長時間校長の堅い話を聞くのは疲れる。
どうせ、ハメを外さないように、学業や部活を頑張りましょう。とかでしょ。

「〜従って、気持ちを切り替えてハメを外さないように〜...」

校長は言った。

ほら、合ってた。
早く終わらないかな〜。
あ、今日のお昼何にしようかな。
そんな事を考えてるうちに...

「...ではこれで始業式を終わります」

「起立」

ーガタッ

「気をつけ。礼。着席。」
「それでは各クラスごとに教室に戻ってください。」

ガタガタと音を立てて順々に生徒達が体育館から出て行く。

「終わった〜」

私は教室へ向かいながらボソッと呟いて伸びをする。

「相変わらずだるそうね〜。」

いつもと違う感じに驚いて振り向くと友菜がいた。

「何だ〜友菜か。」

私が返事を返すと

「何だって何よ〜」

友菜は口を尖らした。友菜はすぐふてくされる。そこが可愛いけど。

「いやいや、口調が違うからびっくりしただけだよ。ホッとしたって意味。」

私はフォローを入れてから自分の席へ座った。