暗闇の中の少女
『はく…りゅう…?』



その響きに懐かしさが何故かあった



「時雨さん!こんにちは!!」



「あぁ」



元気よく時雨に挨拶する不良さん



時雨を慕ってるのがよくわかる



だって時雨の短い返事でもとっても嬉しそうなんだもん



不意に不良さんがこちらを見た



「…麗美…さん……?」



『…えっ…?』



私が驚いたのはこの人から“麗美”って出た事じゃない



反応が他の人と全然違うんだ



期待を持っているようなキラキラした目で私を見ていた



「違う、コイツは麗。麗美じゃない」



そう時雨が否定すると明らかに落胆した彼


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