暗闇の中の少女
「…そう…っすか。すみません。麗さん」



そう言ってもとの場所に戻ろうとする彼を私はほぼ無意識に



『待って!』



腕を掴んで引き止めていた



「え…っ?」



驚いている彼。



自分でも驚いている



だってこんな事したら壊したくないと思ったモノが壊れるかも知れないのに…。



「どうしたんですか?」



『あ…いや……。』



迷って言葉を濁したけど



『……時雨ちょっと先行っててくれない?私ちょっとこの人と喋りたいから』



「…?わかった。なるべく早く戻ってこいよ?」



『うんっ』



< 124 / 330 >

この作品をシェア

pagetop