暗闇の中の少女
『行こう、頼くん!』



時雨が歩きだしたのを見てから出た言葉にびっくりした



「…え……俺の名前…」



そのまま頼くんの手を引いて人目のつかない所まで来た



「……麗さん。いや……麗美さんって言った方が正しいのか?」



『…うん。そうだね』



「やっぱり…!戻ってきてくれたんですか!?」



興奮したように言う頼くん



『ううん。そういう訳じゃないの。私ね…記憶喪失なの。』



「え?でも、俺の名前…」



『うん。私にもよくわからないの。何故か頼くんの名前が浮かんだの。』



「…そうすか。でも、なんで記憶喪失に…?」

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