暗闇の中の少女
麗美side



「ん…」



目を開けると理事長室の仮眠室



……速斗が運んでくれたのかな…?



暫くぼーっとしていると扉が開く音が聞こえてそちらを見ると速斗が立っていた



「起きたのか」



『うん』



「大丈夫か?」



『大丈夫』



相変わらず優しい速斗



さっき倒れた時に全部思い出した



楽しい記憶も辛い記憶も…



何があってどうして記憶喪失になったのかも



「麗美?」



『ねぇ。速斗』



「…ん?」



『私。この町から出てくね』



「え…」



突然の私の言葉に驚く速斗



そりゃあ驚くか。

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