暗闇の中の少女
ポツリ速斗が小さく消えそうな声で言った



『どうして?』



「俺には…!麗美が居なきゃダメなんだ…」



『え…?』



どきっと心臓が跳ねる



「なぁ。麗美。俺のためにここに残ってくれないか…?」



切なそうな速斗の声に胸がきゅーっと締め付けられる



その時タイミングが良いのか悪いのか…弥生が勢い良く入ってきた



「麗美!!大丈夫なの!!?」



『…うん、へーき。』



「はぁ…良かった…」



ヘナヘナと座り込んだ弥生



『…相変わらず心配性だね』



「…え…?」



疑問に思ったような表情から一変ハッとしたように



「まさか…記憶が……?」

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