暗闇の中の少女
『だって時雨はさ、族の中でだってこの学校の中でだって絶対的な存在なのに。こんな文化祭の雑用引き受けるなんて意外だったなって思って』



「……そんな事か。俺だって普通の人間だ。ただ、族の総長っていう人とは変った役割があるってだけだ」



『……ねぇ、凄く失礼な事言ってい?』



「…なんだ」



『私、時雨って自分の立場に酔いしれてるただの自己中野郎だと思ってた…けど違ったんだね』




「お前、そんな事思ってたのかよ…」



はぁとため息をついた時雨




『あはは。ごめんごめん』



それから2人で黙々と手を動かした



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