暗闇の中の少女
「なら、いい」



そのまま去って行こうとする時雨の腕を掴んで



『ありがとう』



感謝の意味を込めて微笑めばたちまち時雨は私から顔を反らした



『時雨?』



身長の高い時雨の顔を頑張って覗き込めば少し赤い顔



『熱でもあるの?』



心配して聞けば



「これだから無自覚はタチが悪い」



なんて訳のわからない事を言う



無自覚?タチが悪い?



まさか…



『そんなに怒るほど私笑顔キモかった…?』



恐る恐る聞けば



「はぁ…」



溜息が返ってきてしまった



「あー!二人して何サボってんの?!二人の指名凄い事になってるよ!!」


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