暗闇の中の少女
私の声にハッとしたように殺気を出すのをやめた速斗



速斗が私の方に意識が向いているのがわかったのか男たちが逃げようとしていた



「おい。今度、俺の女に手だしたら容赦しねぇからな」



ドスの効いた声にまた肩をビクつかせながら



「すみませんでしたぁぁーー!!」



そう言って走り去った



「アイツら…!」


それを追いかけようとして私を引き寄せた手を離そうとする手を掴んだ



「麗美?」



『追いかけなくていいから…』



…もう少しだけ抱きしめていて欲しかった



その想いも虚しく



「麗美、ちょっとこっち来い」



< 230 / 330 >

この作品をシェア

pagetop