暗闇の中の少女
「俺にまで頭下げなくていい」



「…でも…」



「奏兄理事長とも知り合いなの?」



「え、理事長…?」



ビックリしたように速斗を凝視している奏汰



「あぁ」



「知らなかった…」



『ね、そんな話しに来たんじゃないでしょ?』



「あ、あぁ。麗美、考えてくれないか?」



「だから、それは出来ないんだよ。奏汰」



「…どうしてですか、速斗さん」



「どうしてもだ」



『…待って速斗。…私が自分で言うから…』



「…ごめん」



ううんと言う意味を込めて首を振る



『あのね、奏汰。私、この前まで記憶喪失だったの。』



< 243 / 330 >

この作品をシェア

pagetop