暗闇の中の少女
背中を…押す…



『…時雨は強いね…。私にはそんな事出来そうにないや…っ』



だって速斗が私以外の人に笑いかけてるとか考えるだけで黒い得体の知れない感情が湧き上がってくるのに…。



好きな人と上手く行くように背中を押す事なんて到底無理だ……。



…っ、こんな自分が嫌い。大嫌いだ…。



こんなんじゃ、いつか速斗だって離れていく……



「麗美…。」



時雨は頭をポンポンと優しく叩いて



「…速斗さんの気持ちは俺には分からない。でも、麗美、お前だって本当に速斗さんが考えてる事なんて分かんないだろ?」



時雨の言葉が私の心にスッと入る



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