迷子になった恋心
嫌いになったわけでもない。

他の人を好きになったわけでもない。

もちろん浮気なんかしてもいない。

ただ、日々の中で見失ってしまった恋心。

置き忘れてしまった恋心。

ちゃんと存在した『好き』


「圭織、さっきの話、撤回しよ」

「うん、やっぱりやだ、諒太と離れたくない」

「オレも」

もう一度きつく抱き合う。

「また始めよう、ここから」

「…よろしくね、諒太」

涙の残った顔のまま優しいキスをした。

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