曖昧ストラテジー【短編】
思うのだ、けれど。


「はぁ」


そう簡単にうまくいくわけがないよなぁ。とため息を零して、机に突っ伏そうと腕を曲げる。


コツン、と肘に消しゴムが当たった。


あ、と思った時にはもう遅い。


コロコロ転がって、消しゴムは飯島の足元へ行ってしまった。


おーい、今すぐ自力で戻ってこーい。


心の中で言ってみるけれど、そんなファンタジックなことが起こるわけがなく。


かといって、わたしと違い真剣に授業を受けている飯島の邪魔をするわけにもいかない。


正直、さっきからなにがなんやらさっぱりわからなくて、シャーペンも置いてしまっているし。


問題だって、一切進んでないし。
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