見えない距離と儚げな横顔
2人目は同い年の可愛い系イケメンだった。
ただひたすらモテて、バレンタインなんてもう漫画のよう。
ただの友達としか見ていなかった私は彼に告られ、驚いた。
「僕が悠香のイケメン恐怖症治す!」
なんて張り切ってた。
確かに優しいし、私のことを大切にしてくれていた。



でも、彼はひたすらモテてた。
彼の周りにはいつも可愛い女子がいて、私と並ぶと彼が彼女呼ばわり。
彼のせいで一部の女子と敵対もした。
一番嫌だったのはバレンタイン。
バレンタインの日は彼は下校時間になると真っ先に私のところに来て、腕を掴むとその腕を私の腕に絡ませ、ぴったりとくっついてくるのだ。
そう、自分には彼女がいるのだと見せつけるために。
これじゃ私はただの虫除けだ。

いつしかやきもちも嫉妬もできなくなっていった。
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